今は亡き安保徹医師の、興味深い人体の仕組みに関する理論を紹介します。
ガンの正体がわかります。
人間の祖先と進化の過程
地球上に酸素がなかった太古の昔、人間の祖先は酸素を使わずにエネルギーを作り出せる細胞でした。

今の人間は酸素がなければ生きていけないけど、大昔は地球上に酸素がなかったから、酸素が必要ない生物だけだったんだね。
その後、シアノバクテリアという藻の仲間が光合成で酸素を出すようになったため、酸素嫌いの人間の祖先は生きづらくなり、酸素好きなミトコンドリアと共生することにしたのです。
もともと酸素嫌いな細胞を母体として酸素好きなミトコンドリアが寄生したため、母体の細胞が酸素焼けを起こしてしまうことは必然で、それが老化とよばれるものです。
この老化に対抗するために、我々の祖先は生殖という方法をとりました。
精子(ミトコンドリアがほとんどない)と卵子(ミトコンドリアが多い)の授精は、酸素嫌いな母体に酸素好きなミトコンドリアが寄生するという20億年前の合体をやり直しているのです。
そうすることで生命をつないでいます。
2種類のエネルギー生成系
上記のような人間の初期生命体の深化の過程で、酸素嫌いな母体細胞と酸素好きなミトコンドリアの2種類の生命体の合体がありました。
そして、これら2種類の生命体に起因して、エネルギー生成機構も2種類あります。
解糖系
これは酸素嫌いの母体細胞が酸素を使わずにエネルギーを作り出す仕組みです。
エネルギー効率が悪く、瞬発力と細胞分裂が特徴です。
精子などの分裂する細胞は全て「解糖系」です。
ミトコンドリア系
これは酸素好きなミトコンドリアが酸素を使ってエネルギーを作り出す仕組みです。
放射能のエネルギーを利用している為、原子炉のようなものでエネルギー効率が良いです。
クエン酸回路と電子伝達系により野菜などからとりこんだカリウムの放射線を使うのでミトコンドリア系では食べて燃焼したエネルギー以上のエネルギーができます。
脳や心臓の細胞などが該当します
人間は、子どもの頃は主に解糖系でエネルギーを作っています。
ですので子供の頃は細胞分裂が活発で、瞬発力が高いです。
成長してくるとミトコンドリア系の割合が大きくなってきて、瞬発力はなくなりますが持久力は上がります。
食べ物からエネルギーを作り出す過程
我々が食べ物で得た3大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)は小腸で吸収され、酸素によって燃焼されエネルギー(ATP:アデノシン三リン酸)になります。食べすぎた分は脂肪として蓄積されます。
食べ物がエネルギーに変わるまでに「解糖系」と「ミトコンドリア系」という2種類の仕組みでエネルギーを作り出します。
その過程を見ていきましょう。

①「解糖系」
食べ物から摂り込んだブドウ糖は「解糖系」でピルビン酸となり、このとき酸素が多いと「ミトコンドリア系」へ、酸素が少ないと乳酸になります。
このような「解糖系」を経たブドウ糖は少量のATPを生み出しエネルギーとなります。
②「ミトコンドリア系」クエン酸回路
酸素が十分あれば、「解糖系」で生成されたピルビン酸はミトコンドリア内でアセチルCoAとなり、クエン酸回路を経てNADH2、FADH2、CO2となります。
③「ミトコンドリア系」電子伝達系
クエン酸回路で生成したNADH2、FADH2の水素は電子伝達系で多くのATPを生成します。
解糖系で作られるATPの十倍以上です。
つまり、酸素が十分にあればミトコンドリア系を経てたくさんのエネルギーを生成できるのです。
逆に、酸素が不十分で解糖系優位になれば、「乳酸」が生成されてしまいます。
乳酸は組織を酸性化してしまい、ガン細胞がよろこぶ環境を作ってしまいます。
つまり十分な酸素によってミトコンドリア系を優位にすることが健康につながるのです。
酸素不足の現代人
近年は地球温暖化の原因物質である二酸化炭素の増加や森林伐採などにより100年前と比べて大気中の酸素濃度は数%も低下しています。
加えてストレスなどによって呼吸が浅い現代人は慢性的な酸素不足に陥っています。
水道水に含まれる硝酸塩などは血液中のヘモグロビンの酸素運搬能力を低下させますし、アルコールや化学物質を摂取するとその解毒のために体内で大量の酸素が消費されます。
このように酸素不足に陥る原因が現代には溢れています。
野口英世は「すべての病気の原因は酸素不足である」と言っています。それほど酸素は人間にとって重要なものです。
上で書いたように、ミトコンドリアがエネルギーを作り出すためには酸素が不可欠ですが、うまくそのサイクルを回すことができていない人が多く、このことが原因で病気になる人は少なくないと思われます。
解糖系とガン細胞
現代人は呼吸が浅い人や食べすぎの人が多く、低酸素、低体温、高血糖状態の人が増えています。
このような環境は、人間の祖先である解糖系が好む環境であり、その環境に適応するためにガン細胞ができます。
つまり、ガン細胞はミトコンドリアが寄生する前のわれわれの先祖そのものです。
安保徹医師はガン細胞は先祖返りと言っています。
ということは、ガン細胞を減らそうと思えばミトコンドリア優位になればよいのです。
・酸素
・電子
・酵素
・ビタミン
・ミネラル
酸素が必要ない「解糖系」と比べて、「ミトコンドリア系」では酸素が必要です。
丹田呼吸によってしっかり酸素を取り込みましょう。
アーシングなどで電子を十分に供給することも重要です。
その他、ビタミンやミネラル、酵素も化学反応の各過程で不可欠です。
これらがしっかり揃ってミトコンドリア系を働かせることで健康につながるのです。
ミトコンドリア系に必要な酸素や酵素が十分供給されないと解糖系優位となり、大量の乳酸が生成されます。
乳酸によって酸性化した血液は様々な病気を生み出します。
つまりミトコンドリア系が縮退し解糖系が優位になる以下の環境はガン細胞が最も好む環境であるのです。
・酸性体質
・酸化体質
・低酸素
・低体温
・高血糖
このような環境が続くとガンが発生します。
しかしこのようなガンは良性であって、生活習慣を改め上記5点の逆の環境を作ってやれば治ります。
丹田呼吸で酸素をしっかり摂り込み、アーシングなどで電子を供給して酸化体質を改め、ミトコンドリア系を優位にすることで乳酸を減らし体内をアルカリ性に保ち、ビタミンやミネラル、酵素といった重要な栄養素をしっかり摂ってミトコンドリア系を働かせれば、ガンは治ってしまいます。
ガン細胞が糖を栄養にして成長するのは、細胞分裂に糖分が必要となるからです。
ですので血糖値を上げすぎないような生活習慣も重要です。
一方で、悪性ガンの原因は化学物質です。
化学物質がミトコンドリア系の化学反応プロセスを狂わせることで解糖系が優位になり、悪性ガンが発生します。
これは化学物質をデトックスすること以外では治すことはできません。
これが悪性と言われる所以で、生活習慣を改める事は必須ですが、容易に治ることはありません。
参考文献
・「ほとんど食べずに生きる人」安保徹監修 柴田年彦著
コメント
乳酸というのは乳酸菌も良くないのでしょうか?
腸内環境を整えるためによく発酵食品を手作りしています。乳酸菌は善玉菌と言われているので、ザワークラウトやキムチ、ヨーグルトなども身体を酸性にしてしまうのでしょうか?
乳酸と乳酸菌は全く別物です。乳酸菌の摂れるキムチやヨーグルトなどの発酵食品は良いと思いますが、ヨーグルトに関しては牛乳で作るのは良くありません。乳製品は体に負担をかけますので、豆乳ヨーグルトなどがオススメです。