腸内細菌が健康の要、微生物と共生し腸内フローラを元気に

微生物人体の神秘
スポンサーリンク

微生物の話

細菌やウイルスといった微生物は、空気中や土の中などあらゆるところに存在します。

下の写真は、森の中のふかふかの落ち葉の下にあった菌糸の塊です。

ここまで大きな塊はあまり見たことがなかったので写真に撮りましたが、麹菌、酵母菌、納豆菌などの類ではないかと思います。

菌糸

このように森の中や土の中は有用な微生物が繁殖しやすいのですが、街中の空気の汚れた場所ではこのようなものは見られません。

例えば味噌を作るときに蒸した米に空気中にいる麹菌を繁殖させて米麹をつくりますが、昔からある木造の蔵でないとうまく繁殖できません。

そして蔵に住み着いている菌は、それぞれの蔵に独特のものですので、味噌にも個性が生まれます。

このように微生物はどこにでも存在しますが、それぞれの環境でその環境に適した微生物が凄んでいるのです。

微生物はどこにでも存在し、もちろん人間の体の中や皮膚にも存在します。

この世に生きとし生けるもの、微生物も人間も一緒に生きているんだね。



腸の話

まずはじめに、腸(小腸)は人間にとって最重要な臓器であることをお話します。

太古の昔、人間の祖先は腸 (小腸)だけの生物でした。

食物の入口と出口も同じで、腸で栄養を吸収するだけの生物だったのです。

その後、各種臓器ができ、脳ができ、、、と進化していきます。

つまり腸は人間という生物の進化の大元であり、腸から進化してきたのです。

母親の胎内で受精卵から初めに出来るのも腸ですね。
脳や心臓ではありません。

腸は栄養を吸収して生きるために最も重要な臓器ということで、最優先で作られるのです。

このような腸についてさらに掘り下げてみていきましょう。

腸内細菌の話

進化の大元である腸には、腸内細菌が100種類、100兆以上も凄んでいます(本来は500兆とも)。

人間の体の細胞が60兆個ですので、それよりはるかに多いのです。

もちろん腸だけでなく皮膚や口腔、呼吸器系など体中に細菌やウイルスが存在していて、人間と共存しています。

つまり人間は太古の昔から細菌やウイルス等の微生物と共存し、生き物としてこれら微生物と一体であると考えてよいと思います。

その中でも腸をはじめとする消火器系には最も多くの微生物が凄んでおり、胃から遠くなるほど腸内細菌の数は増えていきます。

胃酸の影響で、胃から近い十二指腸あたりでは腸内細菌は少なく、胃から遠い直腸あたりで最も多くなります。



小腸(十二指腸→空腸→回腸)

大腸(結腸→直腸)

肛門

 と腸内細菌が増えていく。

 
腸内細菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌と3種類に分けられます。
善玉菌(ビフィズス菌、乳酸菌など)
悪玉菌(ウェルシュ菌、ブドウ球菌など)
日和見菌(大腸菌、レンサ球菌など)


これらの割合等により多種多様であり、腸内フローラとか腸内細菌叢という言葉で表現されます。

フローラは花畑という意味で植物を表すので、最近ではマイクロバイオータ、マイクロバイオームとも呼ばれます。

腸内フローラの理想的なバランスは、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7と言われています。

つまり、日和見菌という敵にも味方にもなりうる菌が大半を占めていて、腸内フローラはその環境次第で人の健康に良くも悪くも働くのです。

腸内フローラは人それぞれで大きく異なっており、双子でも全く違う叢になっていることもあるようです。

その状態によって、体質(太りやすい、痩せやすい)、脳の働きや健康状態などを大きく左右しています。

例えば、食べずに生きる「不食」の人の腸内フローラは、そうではない人と比べて大きく異なることがわかっています。

不食という生き方
世の中には食べないで生きている人がいると聞いて驚きました。しかも世界中に10万人以上も。信じられませんが、事実は事実として、そのメカニズムを考えてみましょう。世界中から飢餓や貧困が消えるかもしれません。

腸内フローラを元気にする2つの方法

健康を維持するうえで重要な腸内フローラですが、これを元気にする方法は大きく分けて2つあります。

<腸内フローラを元気にする方法>
・腸内細菌のよろこぶ餌を摂る
・腸内フローラを乱す食事を摂らない

腸内細菌の餌(プレバイオティクス)

腸内細菌は胃、小腸、大腸とその数が増えていくことは書きました。大腸までしっかり届く餌が必要なのですが、プレバイオティクスと呼ばれる腸内細菌の餌としてよく挙げられるオリゴ糖は、消化されやすいため小腸あたりの腸内細菌の餌になります。大腸まで届く餌としては食物繊維が必要です。

<腸内細菌の餌>
空腸:オリゴ糖

回腸:水溶性食物繊維
(サツマイモ、サトイモ、海藻、大根、果物・・・)

結腸:デンプン
(玄米、ジャガイモ・・・)

直腸:不溶性食物繊維
(ゴボウ、豆類・・・)

食物繊維は野菜だけでは不足します。穀物を食べてしっかり食物繊維を摂ってください。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は1対2の割合が好ましいです。不溶性食物繊維の方が多く必要なのは、肛門直前の直腸まで届く必要があって、直腸には最も多くの腸内細菌が存在するからです。

腸内フローラを乱す食べ物

腸内細菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌で構成されることは書きました。
腸内フローラが悪い状態というのは、これらのバランスが悪い状態です。
特に食べるものが悪いと悪玉菌の割合が増えてしまい腸内フローラを乱す要因となります。

<腸内フローラを乱す食べ物>
・甘いモノ
・冷たいモノ
・乳製品
・小麦のグルテン
・トランス脂肪酸
・遺伝子組み換え食品
・抗生物質
・その他の化学物質
甘いモノは砂糖だけでなく特に人工甘味料は要注意です。
夏でも冷たいモノは腸内フローラを乱します。善玉菌が高めの温度を好むからです。
さらに日本人の多くは乳糖不耐症のため乳製品も注意が必要です。
小麦に含まれるグルテンというタンパク質はリーキーガット症候群などの原因になります。
そのほか保存料、着色料などの食品添加物に代表される化学物質は全て腸内フローラを乱します。抗生物質は善玉菌も悪玉菌も全て殺してしまい腸内フローラを乱します。


腸と腸内フローラの働き

腸や腸内フローラの働きはまだまだ未解明な部分が多いのですが、単に食べ物の消化吸収を担うだけでなく、健康にとって非常に重要であることが分かってきています。

免疫力の70%を担う

新谷弘実医師の著書「病気にならない生き方」では、ガン患者の腸は例外なく汚れているとされています。
つまり、人体最大の免疫機関である腸の状態が病気にならないために重要であるということです。
小腸の下部にある繊毛の間にあるパイエル板と呼ばれる窪みに免疫細胞が存在し、なんと体全体の70%もの免疫力を担っているのです。
小腸だけで体の免疫の70%を担っているのですから、小腸にはガンが発生しにくいのです。
大腸ガンは多いですが、小腸ガンは聞いたことがありません。

ビタミンやミネラル等の栄養素を生産

腸内細菌は私たちが食べた物を餌として栄養素を作ります。
人間は食物繊維を分解できませんが、腸内細菌が分解してくれて糖や酸などのエネルギーになります。
例えば一日に青汁一杯で生きる森美智代さんの腸内フローラは草食動物に近い細菌構成になっていて、クロストリジウムという細菌がふつうの人間の100倍近いく存在するらしいです。
その、クロストリジウムは繊維を分解してタンパク質を作り、腸内のアンモニアからアミノ酸を作り出すことができます。
つまり、青汁一杯で生きていける要因の一つは、腸内細菌が普通なら捨ててしまうようなアンモニアからアミノ酸を生成できるからと考えられます。
その他、止血に必要なビタミンKも腸内細菌が作り出すことが知られています。

セロトニンの90%を生成

腸では幸せ物質と呼ばれるセロトニンの90%以上が作られています。
腸の状態が悪いとセロトニンが生成されにくくなり、イライラや不安などが増します。
このような働きは腸脳相関と呼ばれ、腸は感情を左右していることがわかります。
もう一つの幸せ物質であるドーパミンの前駆物質も小腸で作られています。

デトックス

腸は最大の排毒機関です。
重金属などの有害ミネラルや化学物質を腸で排出し、それらを食物繊維がからめとって便で体外へ出していきます。排便という日々のデトックスは、体で起こるデトックス全体の7割以上を占めます。食物繊維は腸内フローラの餌になるという点で重要であることは書きましたが、毎日のデトックスのためにも重要なのです。

<食物繊維の重要性>
・腸内細菌の餌になり腸内フローラのバランスを整える
・体のデトックスの7割以上を担う排便を促す

食物繊維は9大栄養素の6番目でしたね。

9大栄養素と日本人に不足しがちな栄養
3大栄養素から5大栄養素、そして今や9大栄養素となっています。 最初からある栄養素よりも最近追加された栄養素の方が重要だったりします。 そしてまだ9番目にも入っていない10番目の栄養素も。



プロバイオティクス

最近では、腸内細菌をコントロールするために、ヨーグルト等で有用菌を直接摂取するプロバイオティクスや、また、腸内の有用菌の増殖を目的として有用菌の餌となるオリゴ糖などを摂取するプレバイオティクス、そして、双方を組み合わせたシンバイオティクス等が言われていますが、まだまだ効果が未知な物が多いです。

このあたりの詳細は以下の記事を参照してください。

発酵食品はなぜ体に良いのか
「生きたまま腸に届く」はあり得ないと言われているのに、発酵食品は本当に体に良いのでしょうか。 真相を解き明かします。

まとめ

腸内フローラの状態によって免疫、栄養素、エネルギー、デトックス、感情、体質などが大きく左右されます。

腸は第二の脳と言われますが、第一の脳と考えても良いのではないでしょうか。

腸内フローラの重要性を説いた本はたくさん出ており、腸内フローラのバランスが崩れる事で病気が生まれる事も言われています。

腸内フローラを乱すのは結局は化学物質や偏った食事などです。

近年では、潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸ガン、過敏性腸症候群、リーキーガット症候群など腸に関する病気が急速に増えており、腸内フローラを乱す要因が多いことが想像されます。

帝王切開で産道を通過せずに生まれたり、小さいころから風邪薬を服用したり、この世に生まれたときから腸内細菌を乱す要因に溢れています。

抗生物質を服用したり肉食に偏った食事を摂ると腸内細菌の多くが死滅し、善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスが崩れます。

腸内フローラの状態は日々の食事内容で変化しやすく、断食をすれば3日目で腸内細菌が100兆から1億まで減るほどです。

ですので、まずは日々の食事に気を付けて、食事は腸内細菌の餌と捉え、腸内細菌が喜ぶ食事を心がけましょう。

人間と微生物は共存しており、一体の生き物です。

腸内細菌をはじめとする微生物が喜ぶことは健康に直結します。

「人は何を食べているかで決まる」というのは、腸内細菌が喜ぶ食事を摂っているかという戒めです。

参考文献

・「病気にならない生き方」新谷弘実医師

・「人の健康は腸内細菌で決まる -善玉菌と悪玉菌を科学する― 知りたい!サイエンス」
光岡知足教授

人体の神秘
スポンサーリンク
gatekeeperをフォローする
スポンサーリンク
NEWGATE

コメント

タイトルとURLをコピーしました