粗食だった昔の人の平均寿命が短いのはなぜか?

edo人体の神秘

はじめに

カロリー制限すれば長生きできることを考えると、粗食だった昔の人は現代人より長寿だったと思いますが、実際はどうなのでしょう。

現代人の平均寿命は80~90歳程度、例えば、江戸時代の人は40~50歳だと言われています。

江戸時代は現代のように洋食ではなく、和食中心の健康的な食事でした。

しかも食べる量は、食べ物に溢れる現代とは異なり、かなり少食だったのではないかと想像します。

にもかかわらず、平均寿命は現代人に比べてとても短いのです。

これはなぜか。

平均寿命とは

平均寿命の定義は実は非常に難解で、現在各国から出されている平均寿命は、死亡年齢を頭数で割るという単純なものではありません。

例えば現在日本人の平均寿命が80歳だったとして、今40歳の人はあと40年生きる見込みがあるのかというとそうではありません。

現在0歳の赤ちゃんが80年生きる見込みであるという意味です。

具体的な算出方法は書きませんが、補正や見込みも加味して算出されているため、日本の平均寿命が1位であるからといって日本が世界一の長寿国であると考えるのは早計です。

平均寿命の実際

<各時代の平均寿命>
縄文時代:15歳
鎌倉時代:24歳
江戸時代:45歳
昭和初期:52歳
平成~ :82歳

このように過去から現代に向かって徐々に平均寿命は延びており、特に近年は平均寿命が突出して高くなっています。

このあたりの理由を考察していきます。

昔の人の平均寿命が短かった3つの理由

・乳幼児死亡率の高さ

昔の出産は命がけで、生まれてくる赤ちゃんだけでなく母親も死亡する例が多かったようです。

現代のように医療的な設備や衛生面が十分ではなく、母子ともに死亡率が高かったと思われます。

例えば100歳まで生きた人が1人いても、0歳で死んだ赤ちゃんが1人いれば、単純に考えて平均寿命は50歳まで下がり、平均寿命を押し下げる要因になります。

・医学が進んでいない

現代の平均寿命は過去の時代に比べて突出して高いのは、西洋医学の進歩が最も大きな理由です。

西洋医学は救急医療、延命治療、対症療法を最も得意とするので、寿命を延ばすだけであれば西洋医学はとても役立ちます。

健康寿命を延ばすのに西洋医学は役に立ちませんが・・・

昔は怪我による出血多量や感染症によって死亡する例を多かったと思われますが、現代では感染症や怪我の治療は西洋医学の得意分野で、死亡率は昔よりも大幅に低くなっています。

・平熱が高い

昔の人は平熱が37℃程あったようです。

平熱が高いと、平熱が低い場合に比べて活性酸素が多く発生するため寿命が短くなります。

低体温の人が長生きなのは本当か?
体温は高い方が体の免疫力が上がって健康だと言われています。 しかし「寿命」という点では、低体温の方が長寿であることが最近の研究でわかってきました。 昔の人は平熱が37℃もあったのに寿命は短かったのはなぜか? 現代に生きる日本人は平熱が35℃台の人も少なくないのに平均寿命は80歳と歴史的に見ても最長寿となっています。 このような疑問を解き明かしていきます。

昔の人の平熱が高かった3つの理由

・筋肉が発達していた

大昔は狩猟によって生活していたため丈夫な身体や筋肉が生きていくうえで不可欠でした。

農耕が始まり人々の仕事は主に農作業になり、ここでもやはり筋肉の発達が生きていくうえで必要でした。

このように仕事といえば肉体労働が中心だった昔の人は現代人よりはるかに筋肉が発達していたと思われます。

筋肉細胞は体で最も熱を生み出す細胞です。

筋肉が多い人ほど発熱量が多く、体温が高くなる傾向にあるのです。

・腸内フローラが元気だった

大昔の人の食事は腸内細菌の餌となる食物繊維が豊富な食事が多かったと思います。

さらに現代のように腸内フローラを乱す砂糖や乳製品などを摂ることはほぼなかったと思います。

このような理由から腸内細菌の活動により生まれる発酵熱が大きく、体温が高かったと思われます。

・内臓が元気だった

昔の人は飢餓との闘いで、日々粗食であったと思われます。

食べ物を消化吸収するために内臓が酷使されないため内臓は元気になり、体内で最大の産熱機関である肝臓やその他の臓器も元気で、たくさんの熱が体内で発生していたと思われます。

まとめ

昔の人の平均寿命が短かった理由は3つ。

・乳幼児死亡率が高い
・西洋医学が進歩していない
・体温が高い
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