丹田呼吸で人生を変えよう、正しい方法と3つのコツ

丹田呼吸オススメ健康法

はじめに

人間にとって空気は必要不可欠です。

食べ物や水すら必要ない「不食」の人でも、空気がなければ生きていけません。

その空気を体に取り入れる呼吸は人間の健康にとって最重要な生命活動です。

呼吸は24時間常に行うものですので、普段のその意識の仕方が重要になってきます。

良い呼吸が自然にできるようになれば人生が変わります。

まずは良い呼吸の仕方を知り、意識して良い呼吸を常に行い、最終的には無意識にできるようになることがポイントです。

呼吸の種類には胸式呼吸、腹式呼吸、丹田呼吸とありますが、丹田呼吸は健康を維持する上で優れた呼吸法で、本来人間が行うべき呼吸法です。

生まれたばかりの赤ちゃんは自然に丹田呼吸をしていますね。

丹田呼吸は腹式呼吸と似ていて横隔膜の上下によって空気の出入りが行われますが、腹式呼吸よりも深い呼吸ができ、より健康効果が高い呼吸法です。

丹田とは

「上丹田」、「中丹田」、「下丹田」と、体には丹田は3か所あります。

上丹田は眉間、中丹田は胸(乳頭の間)、下丹田は「臍下丹田」ともいい、臍(へそ)の数センチ下にあります。

上丹田、中丹田、下丹田

もっとも重要なのは「下丹田(臍下丹田)」で、普通「丹田」といえば「下丹田」を指します。

その位置は「小腸」のある位置で、体の中心であり重心です。

小腸が人間の大元であることは以下の記事で書きました。

腸内細菌が健康の要、微生物と共生し腸内フローラを元気に
昔から微生物と人間は共生し、持ちつ持たれつの関係でした。ウイルスや細菌も本来自然のままの姿であれば人間にとって有用なものです。薬剤や抗生物質などに耐性ができた細菌は不自然なモノなので注意が必要です。

小腸には100兆以上の腸内細菌が凄んでいて、我々人間の精神や免疫の大部分を担っているということでした。

その重要な小腸のある位置を昔の人は「丹田」と名付け、丹田を意識した呼吸を奨励していたのです。

「丹」とは「赤い」という意味があり、丹田とは「赤い田んぼ」、つまり小腸で血液が造られている事を示唆しているようにも思います(「千島学説と血液の正体」参照)。

そういえば昔テレビで見たんだけど、100mオリンピックメダリストのコーチが、「深腹筋を鍛えることが最も重要」って言ってたな。今思えばこれは「臍下丹田」のことだったんだね。100m走で重要な体のバランスや体幹を鍛えるということだったんだ。

丹田呼吸の方法

呼吸は空気(酸素)を取り入れるためのものですから、まずは綺麗な空気を吸える環境で呼吸法を行うことが重要です。

街中では車の排気ガス等によって空気が汚染されていますので、できれば森の中などのキレイな空気を取り入れられる環境で呼吸法を行いましょう。

丹田呼吸は丹田を意識した呼吸法ですが、基本的には腹式呼吸と同じです。

鼻から吸って鼻から吐くことを基本とし、吐くときに腹式呼吸のように自然な呼吸に任せて吐くのではなく、丹田を意識して徐々に力強く息を吐きながら空気を吐ききるイメージです。

教科書的には鼻から吸って鼻から吐くことになっていますが、吐くときは口からのほうが良いときがあります。

下に丹田呼吸を正確に行う3つのコツを書いていますので、詳細はそこで。

丹田呼吸の効果

酸素を十分に取り込める

酸素が十分に体に行きわたることによってミトコンドリアが活性化します。

ミトコンドリアがエネルギーを作るためには十分な酸素が必要でしたね。酸素の必要ない解糖系でのエネルギーを作るよりも、エネルギー効率のよいミトコンドリアでエネルギーを作ることが健康を維持するうえで重要でした。

体幹が安定する

丹田は体の中心であり重心ですから丹田を意識することで体が安定し、体幹がしっかりします。単に歩く動作ひとつから無駄のない動きになり、疲れにくく安定した動きに変わります。

自然に姿勢も良くなります。

片足で立つとふらつく人は、片足で立ちながら丹田呼吸をしてみてください。

重心である丹田に意識がいくと体幹が安定するのでふらつかなくなります。

それでもふらつく人は相当筋力などが弱っている可能性がありますが。

自律神経を安定化させる

深い呼吸は副交感神経を優位にし、自律神経を安定化させます。

それによって、血流が促進されリラックス効果やストレス軽減効果があります。

私はケガをしたとき意識的に丹田呼吸をするようにしています。

そうすると自律神経が安定化しケガの痛みが和らぐのです。

腹式呼吸的効果

腹式呼吸でお腹を動かすことによって便秘が解消したり腹筋が付くなどの効果が望めます。

丹田呼吸の効果を最大限に発揮させる3つのコツ

呼吸は24時間するものなので自然と丹田呼吸ができるようになりたいものですが、まずは正しい丹田呼吸ができるようになること、そして自然と丹田呼吸ができるレベルになるには練習が必要です。

忙しかったりすると呼吸が浅くなり、すぐに丹田呼吸を忘れてしまいます。

丹田呼吸ができても、それを自然に常時行うことは難しいです。

そこでコツがあります。

1.おしりの穴をキュッと閉める

「おしりの穴をキュッと閉める」ことによって、しっかり丹田呼吸できるだけでなく、常時自然にできるようになります。

普段、丹田呼吸しようと意識していてもすぐに忘れてしまいますが、「肛門を閉めよう」と意識していると不思議とあまり忘れることなく、しかも自然に丹田呼吸ができています。

ヘソ下の丹田を意識しようとすると、腹の表面の腹筋だけに力が入ってしまいますので、極端に言えば、意識すべきは「丹田」というよりも「肛門」です。

これによりしっかり丹田に意識を集中させることができます。

丹田は体の内部にありますので、肛門を意識することで肛門と腹筋で丹田をサンドイッチすることになり丹田を捉えることができるというわけです。

実際に丹田はヘソと肛門の中間に位置します。

お尻の穴を閉めることで肛門が直腸方向に引っ張られ、その延長線上に丹田が位置します。

特に息を吐くときは肛門を意識してください。

臍下丹田

2.大きな肺いっぱいに空気を吸うことを意識する

人間の肺は 肋骨の上、横、前後いっぱいに広がっていて 、普通イメージするよりも想像以上にでかいです。

上半身の上半分が全部肺といってもいいくらいの大きさです。

空気を吸うときは、それだけ大きな肺に空気を取り込むことを意識しましょう。

しかもゆっくりと。

息を吸い込むときは肛門を閉める必要はありませんので肺を意識しましょう。

3.片方の鼻で呼吸する or 吐くときだけ口で

人間は鼻で呼吸する時、両方の穴から空気の出し入れをしているのではなく、一方の穴からしているそうです(押さえてなくても)。

それが、常に同じ側ではなく、順番に変わっていくようなのです。

ヨガ式呼吸法では片方の鼻の穴を押さえて呼吸法を行うことがありますが、それと同じです。

押さえてなくても自然に片方の鼻の穴から呼吸しているのですが、その効果をより明確にするために片方の穴を手で押さえます。

私の感覚では、一方の鼻の穴を押さえて呼吸をすることで丹田を意識しやすく、腹の底から深い呼吸ができている気がします。

そして、より細い穴から空気の出し入れをすることで1回の呼吸に時間をかける事ができて、丹田を意識しながらゆったりとした呼吸ができます。

1分間に1回の呼吸ペースになれれば理想に近づいてきます。

ゆったりとした呼吸をするという点では、片方の鼻で呼吸する以外に、吐くときだけ口で吐くというやり方があります。

こちらは私のオススメなのですが、吐くときに口を「ふー」と鼻の孔より小さい口の大きさでゆっくり吐くと、鼻で吐くより息を吐き切ることができます。
普段は吸うときも吐くときも鼻呼吸でよいのですが、瞑想時に丹田呼吸をする場合など、呼吸に集中するときは「吸うときは鼻、吐くときは口」がうまくいきます。
ゆったりとした呼吸ができ1回の呼吸に時間をかけられること、さらにしっかり息を吐き切ることができます。
ため息をつくように息を吐きだすのもポイントです。お尻の穴を占め続けて肛門の筋肉が疲れてきたら、一度肛門の筋肉を緩めてため息を吐いてみてください。人間は緊張が続くと自然にため息が出ますが、これは交感神経優位な状態が長時間続くことをリセットするためです。副交感神経優位にして自律神経を整えてくれます。

まとめ

丹田呼吸のコツを交えた方法をまとめてみます。

①肛門を閉めることを意識しながら息を吐ききる。
(肛門の閉めることに疲れたら時々ため息を吐く)
②上半身の半分という大きな肺を意識しながら、鼻から空気を胸いっぱいに吸い込む。
③この一連の呼吸をできるだけゆっくり行う。
④(周囲の目が気にならない場所なら)、片方の鼻の孔を塞いで呼吸する。
⑤片鼻呼吸が無理なら、吐くときだけ口呼吸も。


この一連の呼吸法によって、正しい丹田呼吸ができるだけでなく、日常の中で自然にできるようになってきます。

丹田呼吸が日常化してくると、長く深い呼吸ができるようになり呼吸の回数が減ってきます。

1回の呼吸(吸って吐くまで)で1分以上かけられるようになると、徐々に神の域に近づいてきます。

始めたその日から様々な効果を感じる事ができるので、ぜひやってみてください。

丹田呼吸で体の歪みを治す方法は以下の記事で。

【西式健康法】体の歪みを治す「靴」と「呼吸法」
体の歪みが病気につながるというのはよく聞きます。左右対称になっていない体や顔の歪みは嫌ですよね。このような歪みはどのようにしてできるのでしょうか。そして改善するための方法は。

参考文献

・「 万病を癒す丹田呼吸法 」 村木弘昌著

・ 東海大学スポーツ医科学雑誌 「 丹田呼吸法が高強度の走運動後の血中乳酸濃度に与える影響 」

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