はじめに
発酵食品は体に良いと言われています。
例えばヨーグルト等に含まれる乳酸菌やビフィズス菌のような有用な菌が生きたまま腸まで届いて腸内細菌に良い効果があると謳われている商品もたくさんあります(プロバイオティクスといいます)。
しかし、東京大学名誉教授の光岡知足先生によると、発酵食品から摂った菌は胃酸や胆汁酸で死んでしまうため、生きたまま腸まで届きようがないらしく、実験でも実証済みとのことなのです。
えー!
ヨーグルトは生きたまま乳酸菌が腸まで届くっていってたのにー!
では、発酵食品は体に良いというのはウソなのか。
そんなことはありません。
結論から言うと、発酵食品は以下の3つの理由から体に良いと言えます。
発酵食品が体に良い3つの理由
消化吸収されやすい
発酵食品は口に入れる前に菌が消化吸収されやすい形にしてくれていますので、消化吸収に負担がかからず胃腸や肝臓に負担が少ない点で健康食品と言えます。
死んだ菌でも免疫力を高める効果がある
最近の研究では、生きた菌でも死んだ菌でも、菌の代謝物質や菌体成分自体に健康効果があるということが分かってきています(光岡知足教授)。
詳しいメカニズムは記載しませんが、特に死んだ乳酸菌が免疫力を高める効果があるらしいのです。つまり、胃酸などで死んでしまった菌が腸まで届いて、健康効果を発揮するということです。
酵素を含む
9大栄養素の9番目の栄養素は「酵素」です。
酵素は消化や代謝に不可欠な栄養素ですが、酵素は熱を加えると壊れてしまうため、生野菜や発酵食品でないと酵素が摂れません。
発酵食品の種類
身近に手に入る発酵食品と言えば、
味噌、醤油、漬物、キムチ、ヨーグルト、チーズ・・・
これらには全て乳酸菌が含まれていますが、この中でも日本に昔からある味噌や醤油は日本人の身体に合っていて健康効果は高いと言えます。
しかし例えばヨーグルトやチーズなどの乳製品は、そもそも日本人の体に合っていません。
昔から乳製品を摂ってきた欧米白人系の人たちなら健康効果があるのでしょうが、日本人は昔から乳幼児期の母乳以降は乳製品を摂る習慣がなく、日本人の8割は乳製品を分解するラクターゼという酵素がないので、たとえ発酵していて消化吸収しやすいといっても負担がかかります。
ですのでより健康効果が高いのはやはり昔からの日本の伝統食品であり、日本人の身体に合っている味噌や醤油ということになります。
まとめ
発酵食品は消化吸収がされやすい点と(死んだ)菌が免疫力を高めてくれる点で体に良いといえます。
消化吸収がされやすいということは腸内細菌が喜ぶわけですから、結果的に腸内細菌のバランスを整えてくれる結果にもつながるでしょう。
プロバイオティクスという生きた菌に着目するのではなく、生きた菌、死んだ菌に関わらず日本人の身体に合った発酵食品を摂る事が重要です。
また、オリゴ糖や食物繊維などプレバイオティクスと呼ばれる腸内細菌の餌になる有用な食品をとることも重要です。
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