はじめに
飽食の時代になり、過剰な栄養が生活習慣病を生むことが多く、何を食べるかよりも食べる量を絶対的に減らすことがまず大事だということは繰り返し書いてきました。
少食によって浄化された体は病気を生みませんし、嘘をつきません。
体の声に従って生きていくだけで健康につながっていきます。
そして、その上で次に大事なことは、特に不足しがちな栄養を摂る事です。
日本人に不足しがちな栄養
飽食の時代と言われる現代でも、不足しがちな栄養があります。
まずはミネラルが足りていません。
人間に必要なミネラルはカリウム、カルシウム、鉄分、亜鉛、銅など様々ありますが、その中でもマグネシウムが絶対的に足りていません。
マグネシウムがなければエネルギーの生産その他の生命活動は一切できません。
体内で栄養を分解して吸収したんぱく質を再構成するという酵素反応の数百工程にマグネシウムは使われています。
玄米や豆類などに多く含まれていますが、日本人はあまり食べなくなりました。
現在では白米やパン、白砂糖に代表されるような精製された食材を摂ることが増え、ビタミンやミネラル等の栄養が削ぎ落されてしまっており、いわばカロリーの塊のような食物です。「一物全体食」と言われるように、まるごと食べることでしっかり栄養が摂れるのです。
野菜や果物なら皮ごと、白米ではなく玄米、小麦粉は全粒粉、白砂糖は黒糖に変えていくことが重要です。
注意点としては、農薬を使用して作られた作物は、一物全体で食べると農薬を多量に摂取してしまうことです。
有機栽培や自然栽培の農作物をまるごと食べることを心がけましょう。
慣行農法で農薬や化学肥料を使って育てられた穀物や野菜は栄養が貧弱になるため、農薬使用量が世界的に見ても多い日本の野菜などは栄養が乏しいのです。
例えば70年前はニンジンやホウレン草には現在の10倍もの鉄分が含まれていました。つまりこの70年で10分の1に減少してしまったのです。
9大栄養素
昔は5大栄養素と言われていましたが現在では9大栄養素になっています。
2.炭水化物
3.脂質
4.ビタミン
5.ミネラル
6.食物繊維
7.水
8.フィトケミカル
9.酵素
これらは重要な順番に並んでいるのではないことに注意してください。
単に注目されてきた順番です。
3大栄養素「①たんぱく質」「②炭水化物」「③脂質」
3大栄養素といわれる「たんぱく質」、「炭水化物」、「脂質」はいずれもエネルギーになるという点で、それぞれの割合は重要でないということが分かってきています。
これらは意識しなくても現代人であれば十分とれています。
「④ビタミン」「⑤ミネラル」
日本人に不足しがちなのは「ビタミン」や「ミネラル」であり、意識的に摂る必要があります。
上にも書きましたが、ミネラルの中でもカルシウム、亜鉛、銅、そして特にマグネシウムが絶対的に足りていません。
精製されていない天然塩には豊富なミネラルが含まれているのでオススメです。
「⑥食物繊維」
「食物繊維」については体内で消化されず排出されてしまうことから、もともと重要な栄養素とは考えられていませんでした。
しかし近年の腸活ブームもあって腸内フローラが注目され、腸内細菌の餌になるという点で重要であることがわかってきました。
ということで第6の栄養素として認められたのです。
人体のデトックスの7割以上は排便によるものですが、排便を促すためにも食物繊維は重要です。
・腸内細菌の餌になり腸内フローラを元気にする
・最大のデトックスである排便を促す
食物繊維には水溶性と不溶性があります。
水溶性食物繊維は芋類やこんにゃく、果物に含まれています。
不溶性食物繊維は豆類などに含まれており、水溶性:不溶性=1:2くらいの割合で摂取するのが望ましいようです。
「⑦水」
「水」は言うまでもありません。
断食中でも水は十分摂れと言われるくらいですから。
あえて9大栄養素にランキングをつけるなら、第一位が「水」でしょう。
人間の体の6割は水ですから、良い水を摂れば体は変わります。
水道水ではない天然水を摂りましょう。
「⑧フィトケミカル」
「フィトケミカル」というのは、赤ワインに含まれるポリフェノール、緑茶のカテキン、大豆のイソフラボン、ニンジンやカボチャのカロテン、トマトのリコピン、ゴマのセサミン等、植物性食品の色素や香り成分となっている物質です。
抗酸化力や免疫力を向上させてくれます。
植物は動物のように動くことができないことから、紫外線や風雨から身を守るために植物内でこのような成分を作り出したものと考えられています。
「⑨酵素」
「酵素」は、消化や代謝を行ってくれる重要な成分です。
酵素は体内でも作られるのですが、食物からも意識して摂る必要があり、9大栄養素の1つとして挙げられています。
私は断食をはじめて酵素という栄養素を意識するようになりました。
酵素の役割りは2種類、「消化」と「代謝」です。
それぞれ「消化酵素」と「代謝酵素」と呼ばれそれぞれの役割を担っています。
消化酵素は例えば唾液に含まれるアミラーゼという酵素があります。
これは食べ物のでんぷん質をブドウ糖に分解してくれます。
胃液にはプロテアーゼという消化酵素が存在し、たんぱく質をアミノ酸に分解してくれます。
膵液の中にはリパーゼという消化酵素が存在し、脂肪を脂肪酸に分解してくれます。
断食を行うと食べ物を消化するということが必要なくなるので、酵素は代謝に専念できます。
それにより新陳代謝やデトックスが促進され、自然治癒力や免疫力を高めてくれます。
病気の原因となる「異物」はウイルスや化学物質に加えて、「未消化の食べ物」もそうです。
これは酵素が不足して消化や代謝が十分行われていない場合に発生すると言えます。
つまり酵素が不足していると病気の原因である「未消化の食べ物」を作り出してしまうのです。
酵素についての注意点は、熱に弱いため加熱調理された食べ物には酵素が含まれていないということです。
ですので酵素を摂る為には、生野菜や発酵食品などを摂りましょう。
市販の酵素ドリンクなどは加熱されているものが多く、酵素を摂る事はできません。
9大栄養素に加えて・・・
そして、もう一つ、私がぜひ奨励したい栄養素は、クエン酸などの「有機酸」です。
クエン酸が疲労回復効果があることは有名ですが、ミトコンドリアを働かせてエネルギーを作る過程でクエン酸が必要です。
クエン酸以外の様々な有機酸も血糖値の上昇を抑える、殺菌作用、細胞の老化防止など、とても重要な役割があります。
大腸内の悪玉菌を増殖を抑えて腸内細菌のバランスを整える作用もあります。
このような有機酸をまとめて摂れるのが「梅干し」と「梅酢」です。
ぜひ意識して摂ってみてください。
スポーツ選手向けの疲労回復にも効果抜群です。
コメント