真冬の山籠もり断食

たき火断食体験記

2019年1月の大寒へ向かう最も寒い時期に山籠もり断食を決行しました。

断食自体は1泊2日のプチ断食だったのですが、真冬に山に籠って焚き火で一晩過ごせるか試してみたかったこともあって、「断食」「瞑想」「アーシング」「マインドフルネス」「焚き火」「丹田呼吸」と、思いつく限りの精神統一法を総動員して、修行僧のような体験をしてきました。

2019年1月13日

7:00 天気予報は晴れ。

雨でなくてよかった。

8:00 朝から絶食し、山籠もりの準備のため山へ入る。

真冬に一晩山の中で過ごすために何をしなければならないか、いろいろ考えた。

とにかく火を絶やすと凍死するため、一晩中焚き火ができる量の薪を集めはじめる。

落ち葉もベッドを作って寝られるようにひたすら集める。

湧き水を汲んできて土瓶を持ち込んでお湯を沸かせるように準備。

丸太を切って椅子も準備。

一晩寝るだけでとてもやる事が多い。

そういえばここは竹林なのでこの時期はイノシシがタケノコを堀りに夜間に活動している。

襲われないだろうか。

イノシシは焚き火の煙の臭いが苦手だと聞くので、一晩中焚き火をすれば大丈夫だと思う。

16:00 夕方までに数百キロの薪を集めた。

落ち葉もたくさん集めた。

昼間晴れていたせいで、放射冷却で夕方になってかなり冷えてくる。

17:00 辺りは暗くなってきた。

星が見え始める。

18:00 山の中は本当に真っ暗になる。

が、月の見えるところまで登ると案外明るい。

満月だったらもっと明るいのだろう。

月明りに加えて焚き火の炎の明るさもなかなかのもの。

真っ暗闇だったら心底不安だったことだろう。

月明り

19:00 連れがバイオリンを弾きだす。

山の中にジャンヌダルクの「月光花」が響き渡る。

イノシシよ逃げてくれ。

闇の中でバイオリンを弾く

20:00 眠くなってこないので瞑想を始める。

丹田呼吸、マインドフルネス、雑念が浮かんでは消えを繰り返す。

得体のしれない恐怖と寒さで集中できない。

これから夜中までまだまだ冷え込んでくる。

イノシシも活動を始める。

そう思うと不安に支配されてくる。

21:00 少しずつ落ち着いてきた。

丹田呼吸をしながら焚き火の炎を見ていると自然と落ち着き、癒されてくる。

なんとなくこのまままどろんで一晩明かせるんじゃないかという気になってくる。

たぶんこのときはアルファ波が出ていたと思われる。

焚火

22:00 湯を沸かす。

メラメラと燃える炭の上に直接土瓶を置いて天然水を沸かす。

あっという間に沸騰する。

普段ガスコンロで沸かすときは直火でもここまで早く沸かないのに。

1杯白湯を飲む。

胃に染み渡る。

全身が温かくなった。

「あたたかい、ありがたい」と独り言を言う。

23:00 落ち葉で作ったベッドに寝てみる。

地面からの冷気は想像以上に強く、落ち葉を敷いていても感じる。

大量の落ち葉でサンドイッチされて少しずつ温かくなってくる。

集めた落ち葉

風がでてきた。

耳が冷たい。

24:00 焚き火のパチパチという音だけの空間の中で目を閉じて半分瞑想状態。

冷気が空間を覆い、寒さを感じる。

体感的にはマイナス5℃くらい。

すでにペットボトルの天然水は氷になっている。

スマホの画面には霜が付いている。

1:00 寒くて寝られず落ち葉ベッドから抜け出し焚き火に当たる。

森の中はこんなに寒いのか。

夜空を見上げる。

夜空

真冬で空気が澄んでいるのだろう、 月が美しく幻想的だ。

空気が綺麗で酸素が美味い。

山の中の夜の空気はこんなに美味いのか。

2:00 しばらく焚き火に当たっていたがウトウトし始める。

たき火

たぶん数十分毎に起きたり寝たりしていた(と思う)。

あまり記憶がない。

3:00 記憶にない。

4:00 寒さで目を覚ます。

しばらくして遠くの方で始発の電車がガタゴト聞こえる。

昨日、薪を運んだりいろいろ準備をしたため、全身筋肉痛を感じる。

寒さと心地よい疲労感と朝を迎えられそうな安堵感が心を満たす。

5:00 まだ周囲は暗い。

6:00 少し明るくなってくる。

起きて湯を沸かす。

湯で顔を洗う。

一晩中焚き火の煙に当たっていたため顔中ススだらけ。

7:00 今日は仕事だ。

風呂に入りたいが、行かねば。

まとめ

こんな感じで一晩山の中で過ごしました。

ほとんど寝ていないと思うのですが、仕事もなんとかこなせました。

暗闇やイノシシの恐怖に耐えられるか、寒さに耐えられるか、と思ってやってみたらなんとか一晩明かすことができました。

ただし、入念な準備が必須です。

一晩中、焚き火を絶やすことのない薪の量が必要ですし、もし火が絶えてしまったら凍死もありえます。

空腹感は全く感じずでした。

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