猫と人間の白血病の違い

猫病気とは何か

自宅で白血病の猫を飼っています。

白血病と聞くとコワい病気のイメージがありますが、人間の白血病と猫の白血病は違うのでしょうか。

・白血病の原因は?

・どんな症状がでるの?

・白血病は完治するの?

・白血病は感染するの?

このような疑問に、猫と人間の違いに着目してお答えしていきます。

白血病の原因

2019年、水泳選手の池江璃花子さんが白血病を告白され、白血病についてのニュースがよく取り上げられていました。

19歳という若さですが、若年性の白血病は多いそうで、小児ガンで最も多いのも白血病だそうです。

一般的に白血病は、「血液中に白血病細胞(腫瘍細胞)が出現する病気」とされています。これは猫でも人間でも同じです。

白血病という病名は血液中の白血球が異常に増殖し、血液が白い(白血球が多い)という意味で命名されたようです。

赤血球、白血球、血小板

白血病は血液中を構成している赤血球、白血球、血小板が正常ではなくなります。白血病が「血液のガン」と呼ばれる所以です。

人間の白血病には「急性」「慢性」の分類、「骨髄性」「リンパ性」の分類で主に計4種類の病態があります。

<人間が罹患する主な白血病>
・急性骨髄性白血病
・急性リンパ性白血病
・慢性骨髄性白血病
・慢性リンパ性白血病

これら4種類の白血病は、西洋医学では「原因不明」とされています。しかし、これ以外にも人間が罹患する白血病があって、例えば「 成人T細胞白血病 」と呼ばれる白血病は、HTLV-1 というウイルスが原因です。

<猫が罹患する白血病>
・猫白血病
猫が罹患する白血病は上記の猫白血病です。この病気は原因が特定されていて、FeLVというウイルスが原因です。

猫白血病のウイルスのキャリア(保菌者)であるかどうかは血液検査で簡単にわかります。

白血病の症状

人間でも猫でも、白血病によって血液中の赤血球や白血球が増えすぎたり減りすぎたりする影響で、息切れや動機などの貧血症状、発熱や出血の症状が見られることがあります。

上記で書いたように、猫の白血病(と一部の人間の白血病)はウイルス性です。ですので、検査によってウイルスが発見されれば、「猫白血病ウイルス感染症」という診断がなされます。私の飼っている猫もそうです。

しかしこの時点ではウイルスが体内に存在するというだけで、症状が出ていないことがあります。私の飼っている猫は白血病ウイルスを保菌していますが全く症状がなく、毎日元気に走り回っています。

白血病の猫

免疫力の低下などで病気が発症してしまうと、全身のリンパ節が腫れたり発熱が見られます。

血液検査で白血球や血小板の減少が見られ、それに伴う二次的な疾患に罹患してしまうこともあります。

例えば、口内炎や猫伝染性腹膜炎、気道感染症などです。そうなると寿命を全うできなくなる確率も上がってきます。

白血病の治療法

人間の白血病の治療では、一般的に抗ガン剤や骨髄移植がなされます。

この治療法については本題ではありませんので詳しく書きませんが以下の記事を参考にしてください。

特に骨髄移植については、人間の血液が骨髄で造られていることが前提ですが、その前提が誤っていれば治療法に根拠がなくなりますので注意が必要です。

千島学説と血液の正体
腸で作られた血液が体を作り、その血液は海水と同じ成分です。つまり我々の体は海水でできているようなもの。海から生まれた我々の体が海水でできているというロマン。
前向きな生き方とガン
数年前に叔母をガンで亡くしました。診断された時点では元気に見えた叔母が、入院治療を始めた途端、急に病人のようになり、ものの3カ月足らずで亡くなりました。あんなに明るく前向きに生きてきた叔母がなぜ?と不思議でなりませんでした。

人間の白血病は完治する例がありますが、そもそも白血病はガンではないという主張があって普通に規則正しい生活をしていれば白血病は治りそうですね・・・。
(参考文献「白血病はガンではない」 大沼四廊 著)

一方で、猫の白血病はウイルス性で完治することはなく、一生ウイルスとうまく付き合っていくしかありません。その理由は薬などでウイルスを全て殺しきることはできないからです。

例えば人間にもヘルペスウイルスが感染している人はたくさんいると思いますが、このウイルスも薬などで殺しきることはできないので一生付き合っていかなくてはなりません。免疫力を高く保っていればヘルペスウイルスが抑え込まれて症状は出ませんが、免疫力が低下すると口唇ヘルペスなどの口周りのブツブツのような症状がでますよね。

このようにウイルスと人間や猫などの生物はうまく共存していく必要があるのです。このあたりの詳細は以下の記事を参考にしてください。

腸内細菌が健康の要、微生物と共生し腸内フローラを元気に
昔から微生物と人間は共生し、持ちつ持たれつの関係でした。ウイルスや細菌も本来自然のままの姿であれば人間にとって有用なものです。薬剤や抗生物質などに耐性ができた細菌は不自然なモノなので注意が必要です。
インフルエンザでガンも治る
インフルエンザにかかって発熱し体温を上げればガンも治ってしまいます。風邪ウイルスやインフルエンザウイルスと人間との共生を解き明かします。

白血病は感染するのか

結論から言うと、ウイルス性でない人間の白血病は感染しませんが、ウイルス性の猫白血病は感染します。ただし猫限定で、人間には感染しません。

人間の白血病

基本的に人間の白血病は感染しないという認識で間違いありませんが、唯一例外があるのはウイルス性の白血病です。「成人T細胞白血病」はウイルス性の白血病で、以下の3つの経路で感染することがわかっています。

<成人T細胞性白血病の感染経路>
・母乳
・感染血液
・性交
成人T細胞白血病は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)のように強い免疫不全状態に陥るため、発症すると高確率で死亡してしまいます。

猫の白血病

猫の白血病はウイルス性のため猫同士で感染しますが、人間には感染しません。

<猫白血病ウイルスが人間に感染しない理由>
ウイルスが細胞に侵入するとき、細胞壁にある扉に合った鍵が必要で、猫白血病ウイルスは猫の細胞壁の扉を開ける鍵しか持っていません。人間と猫の細胞壁の扉を開ける鍵が異なっているため、猫白血病ウイルスの持つ鍵では人間の細胞に侵入することができないのです。

ただし、ウイルスは突然変異を起こすことがありますので、この先ずっと安全とは限りません。特に昨今の除菌、抗菌、殺菌ブームで化学薬品がたくさん使われ、それによってウイルスは突然変異しやすくなっています。

<猫白血病の感染経路>
・母乳
・唾液
・血液
・便や尿

猫白血病ウイルスに感染している猫の唾液や血液、便や尿の中には白血病ウイルスが含まれていますので、猫同士で舐めあったり同じ食器で食べたりすると、唾液に含まれているウイルスから感染します。 また、母猫が感染している場合は胎盤や母乳を介して子猫に伝染することもあります。

子猫

猫はいろんなところを舐めてまわるから、感染している猫は別の猫と一緒に飼えないねー。

猫白血病ウイルスは猫の体内では活発に活動しますが、空気中に出されると弱ります。ですので、感染した猫の唾液を舐めても必ずしも感染するとは限りません。新生児の免疫力の弱い子猫であれば感染率は高いですが、成猫ならウイルスが体内に入っても排除されて感染しないこともあります。ただし猫同士がケンカをして傷口から直接白血病ウイルスが侵入した場合は高い確率で感染します。

まとめ

人間の白血病の原因は諸説ありますが、猫白血病はウイルスが特定されていて猫同士で感染します。キャリアとなっている猫を飼っている場合は、他の猫と接触しないよう注意しなければなりません。

猫が一度ウイルスに感染してしまうと基本的にはウイルスを殺して完治させることはできないので、できるだけストレスを与えず免疫力を高く保って発症しないよう注意しましょう。

猫白血病ウイルスに感染した猫の寿命は、若い猫ほど短くなる傾向がありますが、発症しなければ寿命を全うできるようなので、飼い主の飼い方が重要となってきます。

私が買っている猫もウイルスのキャリアではありますが、元気にのびのびと暮らすことで白血病を発症させず、寿命を全うしてほしいと願っています。

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