はじめに
宿便を出したことありますか?
宿便を出すと体がとても調子よくなり、生まれ変わったような感覚になります。
私は昔、「腸内には長年蓄積した便が溜まっている」と聞いたことがあって、体の中にそんなものが溜まっているのは気持ち悪いなぁと思ったことがありました。
何とか出そうと下剤を飲んだり、いろいろ試したことがありましたが、結局下痢になってやわらかい便が出ただけで、長年溜まっていた便が出たのかよくわかりませんでした。
昔の便がお腹に溜まって腐らないのかなーって心配だったよ。
ここではまず「宿便」とは何なのか、そして宿便を出すためにはどうすればよいのか、このような疑問にお答えします。
結論から書くと、宿便を出す方法は「断食」しかありません。なぜ断食でしか宿便が出せないのか、宿便の謎を紐解いていきます。
宿便の正体
宿便とは、腸に長年溜まった便、長年腸壁にこびりついた便といわれていますが実はそうではありません。
宿便って、お腹に溜まってる便のことじゃないのー?
腸内を内視鏡で見てもそのような便は確認できませんし、そもそも腸は蠕動運動をしていますので腸壁に便がこびりつくことはありません。
では宿便とは何なのか。
断食などで体がデトックスモードになると、便や尿、目ヤニや鼻水などの形で非常に強いデトックスが起こりますよね。
断食中の人の体から発せられる体臭はとても臭いがきつく、体中から毒素が出ていることがわかります。
その中でも特に便に混ざってデトックスされたものが宿便なのです。断食中の目ヤニが濃くなるように、便もドロッとした色の濃いものになります。
そのような宿便には体中の毒素がたくさん含まれています。
食品添加物や重金属など、体内にあってはならない異物が混ざっています。
このような異物を体は日々デトックスしていますが、便からの排出割合は約75%、尿からは約20%、その他、汗、爪、髪の毛などから少量ずつデトックスされます。つまり便からのデトックスが大部分を占めるのです。
このようにデトックスが促進されたときに便に混ざって出てくるたくさんの異物、その中でも特に宿便の色やニオイを強烈なものにしているのは「胆汁」です。
胆汁とは・・・
胆汁は肝臓で生成される消化液のようなものです。 胆汁は弱アルカリ性で腸内を弱アルカリ性に保つ働きがある他、脂肪分の消化のために利用されます。脂肪分の多い食事を摂っていると胆汁の生産が間に合わず肝臓に大きな負担がかかります。
胆汁は肝臓で生成され胆嚢に蓄えられて濃縮され、十二指腸に分泌されて腸で再吸収または排泄されます。つまり胆汁は肝臓と腸を循環することになり(これを腸肝循環と言います)、何度も再利用されて古い胆汁が溜まっていくことになるのです。
胆汁はコレステロールを原料にできているため脂質や脂肪分で構成され、石油由来の化学物質など体に悪い物質が溶けやすいという性質があります。
そのため何度もリサイクルされた胆汁は黒いコールタール状で、これが宿便の元になっています。
つまり、「宿便=何度も再利用された古い胆汁を含む便」であり、宿便が真っ黒なドロッとした形状をしていることとも符合します。
この古い胆汁を含む宿便を出す方法は断食が最も効果的です。というか断食しか宿便を出す方法はないと思われます。
なぜ宿便を出す方法は断食しかないのか
一般的に行われている腸内洗浄や下剤を用いた排便は、「宿便」が出ているのではありません。普通の便です。
それは上記の宿便の正体を考えればわかりますね。宿便とは体の老廃物や異物のデトックスの結果なので、デトックスの伴わない腸内洗浄では宿便は出ません。
つまり宿便を出すためには体からのデトックスを促進してやる必要があるのです。しかも生半可なデトックスでは無理で、究極のデトックスである「断食」を行うしかありません。
人間の体は、食べたものを消化吸収している間はデトックスモードに入れません。消化吸収とデトックス(排毒)は真逆の生体反応なので、同時には行えないのです。
つまり、食べものの消化吸収をできるだけ長時間行わない状態を作れば、体は究極のデトックスモードへと入っていくことができ、それが「断食」と呼ばれる行為です。
宿便を出す方法
これまで書いてきたように、宿便は毒素の塊です。ですので宿便を出すことによって健康を維持することができるのです。
こんなこと聞くとどうしても宿便を出したくなってきたー!
宿便の出やすいパターン
私の経験では断食中に宿便が出るのではなく、回復食中に宿便が出ることが多くありました。
断食中に食べ物が入ってこなくて胆嚢にぱんぱんに溜まった胆汁が、回復食に刺激されて一気に排出される感じです。
また私の経験上、デトックスが促される春先に断食をすると宿便の出る確率が高いです。
宿便を強制的に出す方法
半ば強制的に宿便を出すために、断食直後の1回目の回復食で「すっきり大根」「梅湯流し」という方法があります。
「すっきり大根」
①断食(2.5日以上)をして胃の中を空っぽにする
②白湯をコップ1杯飲む
③梅湯をコップ1杯飲む(コップ1杯に梅干し1個)
④だし昆布で柔らかくなるまで煮た短冊状の大根をよく噛んで食べる
⑤大根の茹で汁で作った梅湯をコップ1杯飲む
⑥大根を食べる(以降、梅湯と大根を便意をもよおすまで繰り返す。)
「梅流し」
①断食(2.5日以上)をして胃の中を空っぽにする
②白湯をコップ1杯飲む
③水2Lに対して梅干し8個をほぐし5分煮た「梅湯」を、どんぶり一杯飲み干す
④食物繊維が豊富な生野菜(大根など)を食べる
完全水断食の場合は、1回目の回復食は重湯などから始めないといけませんが、酵素断食などで栄養を補給しながら行った断食は回復食でいきなり生野菜などの固形物を食べてもOKです。
「すっきり大根」「梅流し」どちらの方法も最初の梅湯で胃腸を刺激して蠕動運動を活発にし、さらに古い胆汁の分泌を促し、最後にまとめて食物繊維が腸を洗ってくれるという原理です。
しばらくするとお腹がグルグルと鳴って便意をもよおしますので、必ずトイレに駆け込める場所で行ってくださいね。
水分がそのまま出てしまい宿便がでないこともあり、私の経験上、成功率は40~50%くらいでしょうか。
「すっきり大根」「梅流し」ともに「梅干し」が必須です。
梅干し単体でも非常にデトックス効果が高く、含まれるピクリン酸は肝臓や腸の働きを活発にして排便を促したり、クエン酸やリンゴ酸もデトックスに寄与します。
市販の添加物まみれで精製塩が使用されている梅干しはオススメできません。
ぜひ自分で作ってみてください。
私は毎年6月、梅の実が完熟する梅雨の時期に梅を収穫し、1年分の梅干しを作って断食中に使っています。
とても簡単に作れるのでぜひ。
温泉水断食
断食中に白湯の代わりに温泉水を飲むと、回復食時に宿便がよく出ます。
まだまだ研究中ですが、温泉水の種類によって出やすい泉質があるように感じます。
宿便の写真
宿便の写真を載せていましたが、自粛中です。
希望者が多ければ再掲いたします。
宿便の形は人によってさまざまなようですが、梅流しなどで強制的に出す場合は、液状の真っ黒な(一目で胆汁とわかる)液体がでます。噴水のように噴射して。
その後、何度も噴射したあと、水便に変わります。
その他、真っ黒な腸の形をかたどったような便や、砂状の便なども宿便として出るようです。
さいごに
人生で一度は宿便を出してください。
古い胆汁が排泄されると、とても調子が良くなり健康を感じられるようになります。
断食で宿便を出した人は「生まれ変わったようだ」と感じる人もいるほどです。
定期的に宿便を出していると病気知らずで人生を謳歌できますよ。
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